2004〜2005年 海外情勢報告
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定例報告 2004〜2005年 海外情勢報告
第3章 各国にみる社会保障施策の概要と最近の動向
アメリカ
6 近年の動き・課題等
(2) メディケア改革
2002年11月の中間選挙に勝利した後、ブッシュ大統領は、大統領選挙において公約していたメディケア改革について、2003年1月の一般教書演説で言及するとともに、メディケア改革のための法律を早期に提出して採決するよう、議会に対して強く呼びかけていた。
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これを受けて議会での議論が本格化し、6月には、上・下院で、処方せん薬代の連邦政府負担部分等の内容が異なる法案がそれぞれ成立した。
このため共和党の主導で上下院で可決された法案の内容の相違を埋めるための話し合いが行われた結果、一部民主党議員の賛成も得て2003年11月25日、米上院は、メディケア制度改革法(Medicare Prescription Drug Improvement and Modernization Act of 2003)を可決し、12月8日にブッシュ大統領が署名して同法は成立した。
同法は、メディケア・処方せん薬プラン(Medicare Prescription Drug Plans)を新設して、これまで保険の適用外だった外来患者に係る処方せん薬代を適用対象に加えることを主内容とするもので、この改正は1965年のメディケア制度発足以来初めての大きな改正となった。
a 改正の主内容
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処方せん薬代の給付を行うため、メディケア・処方せん薬プランを新設した。加入対象者は、メディケア・パートA及びパートBの双方に加入している者である。
処方せん薬プランは任意加入であり、保険料は加入者が選択する保険会社やオプションによって異なるが月額35ドル程度とみられており、給付内容は以下のとおりとされた。
〈表2-67〉処方せん薬プラン給付内容
また、メディケア・パートC (注4) 加入者に関しては、パートCのオプションのとり方でパートDに加入しないでも外来薬剤代の給付を受けることもできる。
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なお、処方せん薬プランの施行は2006年1月1日からとされ、それまでの暫定措置として、実施前の2004、2005年の2年間は、高齢者は処方せん薬代を15%以上安く購入できるドラッグ・ディスカウントカードを利用することができる(発行会社により利用料金割引率が異なる)。しかし、カードによる割引率よりも市販薬価の上昇率が大きいため、ディスカウントカードの実効性は相殺されており、高齢者団体や民主党はもとより、共和党の一部からも、カナダ等からの低廉な処方薬の逆輸入を認めるよう規制緩和が主張されている。これに対し、連邦食品医薬品局(FDA)は、安全性の問題を理由に、逆輸入薬の開放について反対の姿勢を続けている。
b 改正に伴う追加的財政支出
処方せん薬プランは、メディケア・パートBと同様に加入者の保険料と連邦政府の一般財源により賄われる。必要となる一般財源の額は、2005年の暫定措置の間の65億ドル、2006年の641億ドルから上昇を続け、2014年には1348億ドル(10年間で計8535億ドル)に達すると予想されている。
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